自慰下手な日本人

★このコラムはご本人の許可を得て些少のフィクションを混ぜて書いています。

海外から定期で日本へ出張してくる外国人のお客様がこんなことを言いました。
彼は自分がオナニストであることを隠して居ません。
なので、日本特有の飲み会では、その素直な下ネタで格好の餌になるらしいのですが、
彼自身、とても明るい性格なので、同僚や上司から誰にも言えない内容を相談されることも多いそうです。
そんな中、彼がとても驚いたことがあったらしく私に投げかけてきました。

それは、日本人があまりに自慰が下手すぎるということ。

彼自身の自慰行為が正解だとか間違いだとかという話ではなく、
日本人は道具に依存する割にムードやテンションを大切にしないというのです。
彼がいうには、まず今夜は自慰を楽しむぞと決めた日は、
早めに帰宅し、好きな香りで部屋を整え、照明を暗く設定し、ゆっくりと入浴を楽しむそうです。
そして自分の敏感な部分を丁寧に優しく愛撫しながら洗い、自分のテンションを上げて行くそうです。
そして今日のお相手(オカズ)をゆっくり少量のお酒とともに吟味し、
自分の性感帯をゆっくり焦らすように高めていき、
いよいよクライマックスと思ったときに初めて道具を使い出すそうです。
でもその時は身体も心も盛り上がって居ますので、道具類は非常に優秀な仕事をこなすパートナーとなります。
そうして何度も何度も果てて、身も心も満たされたら、
ゆっくりと体を洗い流して、深い眠りに入るそうです。

彼にとっては、多少の個人差はあっても自慰とはそういったものという概念があったようで、
彼に相談してくる同僚や上司のほとんどが、自分の身体の鈍さを嘆いていたそうです。
「最近、性欲がなくて…。」「セックスの途中で中折れする。」
「自慰で道具を使ってもいまいち気持ちよくない。」など、
日本人の性生活に対する意識の低さに驚くばかりなのだそうです。

そんな彼も、特殊な性癖があるということはカミングアウトしていないらしく、
私のところへ来て、今回の話題になったのでした。
確かに私も数千人のお客さま全員の性生活を聞いているわけではありませんが、
なにかと話題にはなります。
特にグッズの新製品が出たりするとグッズ好きさんたちは試してみたくて情報交換がひっきりなしに行われます。
しかしその評判が上がる確率は非常に低く、また無駄なお金を使ってしまったと嘆く方が多いのです。
なので、数年に一度くらいの割合で、本当にヒット商品が出るとすぐに売り切れになり、
再販売を待てない方々は、あらゆる情報網を駆使し、
お財力とお手間を惜しむことなく航空便を使って個人輸入したり、
オークションサイトなどで十数倍にも跳ね上がった値段のものを購入したりと、
毎回毎回、その情熱を仕事に向けたら間違いなく出世するはずなのに、
こんなところで消化してしまっているわけです(でもそういう方はお仕事もデキる方が多い気が。)。

しかしそんなヒット商品でも万人ウケするはずもなく、
ちらほらと合わない、気持ちよくない、痛い、苦しいなどのネガティブレビューが出始めます。
でも、そんなヒット商品を絶賛する人と、否定する人の違いってなんなのだろうとずっと私も考えて居たのです。
そんな時にその外国人のアナニストの話題が飛び込んで来たのです。

もしかして…。
予想は大当たりでした。

どういうことかというと、日本人の殆どとは言わないまでも、
多くの方が上記のような手間暇をかけた自慰など殆どしていないということです。
寝る前の、ほんの少しの時間で、パパッと済ませて眠りたい。
中には眠るために自慰する方もいるようです。寝つきが抜群にいいですからね。
または余裕のある日であっても、せいぜい用意するのはAVや動画などのお気に入りオカズと、
自分の好みのアダルトグッズ類などで、部屋を暗くして香りを炊いたり、ムードを盛り上げてゆっくりと自分を焦らし、
徐々に高めて昇っていく…。そんなことをしている人こそ少数派のようです
(日本の住宅事情、家庭環境も複雑に絡んで来ますよね…。)。
しかし日本人はアダルトグッズへの依存が世界上位レベルだと私は思うので、
そんな排泄的な自慰でグッズを使っていると、その道具本来の役割を使いこなせて居ないのではないかと思うのです。
つまり、そこで合うとか合わないとか判断するには性急ではないかと思うのです。

まずは気になるお道具を購入したら、体力的、精神的に余裕のある時間を作り、
ゆっくりと自分を高め、その道具たちと向き合ってみるといいと思います。
そういった手間暇が、きっとあなたの感度をも敏感にさせてくれると思いますし、
自分以外の誰かと性行為を行うときも、
より素晴らしい時間を過ごすことができるようになるのではないかと私は思うのです。

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